「尿が近い、夜のトイレが多い、もれそうになる、もれてしまう」こんな排尿の症状を年のせいにしていませんか?
最近の調査によると40歳以上の日本人のうち約1000万人が何らかの排尿の症状で悩んでいるといわれています。
  おしっこの
出るしくみ
普通、私たちは膀胱に200~400mlの尿がたまると尿意を感じます。そして、自分の意思でトイレに行くまでにしばらく我慢すると、準備が整い次第排泄することができます。「我慢する」か「おしっこする」かは、脳からの命令により膀胱の尿道の筋肉の閉塞で調整されています。
過活動膀胱とは、膀胱が自分の意思に反して収縮する病気です。
突然強い尿意におそわれ、尿をがまんできなくなります。
原因 第1 spacer尿意切迫感 それまで何でもなかったのに、
突然トイレに行きたくなり我慢することが難しい症状です。
第2 spacer昼間頻尿 日中に8回以上トイレに行く症状です。過活動膀胱に通常伴う症状です。
第3 spacer夜間頻尿 夜中に1回以上、おしっこのために起きたりする症状です。
第4 spacer切迫性尿失禁 突然のがまんできない強い尿意のためにトイレまで我慢できず
尿がもれてしまう症状です。過活動膀胱では、この症状は伴わない事もあります。
   
原因 膀胱が異常な働きをする事で起こります。
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原因疾病
   
治療 自分でできる訓練や排尿日記などの「行動療法」や、
薬で膀胱の過剰な収縮を防ぐ「薬物療法」で症状を改善する事ができます。

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行動療法 排尿日記を書く(行った時刻・尿量・水分摂取量を記録します。)
行動療法 行きたくても15~30分我慢して排尿間隔をあけます。
行動療法

骨盤底筋、特に尿道括約筋を強くする体操です。

行動療法 抗コリン薬(膀胱の収縮を抑制します。)
   
治療 質問 トイレが近いのは歳のせいで治療しても治らないのではないでしょうか?
答え 過活動膀胱には、歳をとる事で起きてくる神経の異常が関係する事があり実際に年齢の高い方ほど過活動膀胱の方は多くなります。しかし、歳をとった方がみな過活動膀胱になるわけではなく、歳をとった方でも、治療を受ければ多くの方が症状を軽くできます。歳のせいと諦めずに医師にご相談ください。
質問 病院・診療所に行ったらいろいろ検査されるのですか?
答え 過活動膀胱の可能性がある時には、病院・診療所ではまず問診や質問票を使った診察を行います。他の病気ではない事を確かめるために尿検査や超音波検査・レントゲン検査などの簡単な検査を行うこともあります。これらの検査は特に負担のない検査なので心配いりません。必要に応じて詳しく調べる検査が行われる事もあります。
質問 薬を使わずに過活動膀胱を治すことはできますか?
答え 膀胱訓練や骨盤底筋訓練を行うことが勧められます。しかしこの訓練だけで症状を全て治すのは難しいかもしれません。通常は薬による治療と一緒に行います。また水分の摂りすぎでトイレが近くなる場合がありますが水分の摂取を減らすことで症状が改善する事もあります。
質問 手術が必要になる事はありますか?
答え まずありません。薬による治療と膀胱訓練や骨盤底筋訓練などを続ければ多くの方は症状が軽くなります。